鍵っ子もいろいろと思うことがあるんです
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前回の予告通り今回は再び「終わりの世界から」について考えてみたいと思います。これは皆さんもご存知のとおり「終わりの惑星のLoveSong」における始まりの曲です。しかしプロローグ曲であることに固執し過ぎると前が見えなくなってしまいます。何故麻枝さんはこの「終わりの世界から」をプロローグ曲としたのか、その意図をしっかりと確認したうえで「終わりの世界から」もLoveSongの一作品であること、特質し過ぎたものではないことを前提にして考えていきます。

過去記事(文章中の「以前の記事」とは次の二つを指します)
「終わりの世界から」始まった破滅への恋
「終わりの世界から」におけるタイムリープを考える

「終わりの世界から」が始まりの曲である所以

何故「終わりの世界から」がプロローグと成り得るのか。それは終盤にかけての描写がすべて世界の崩壊へと至っていないからでしょう。これは以前の記事でも書きました。他の楽曲「Killer Song」「無敵のSoldier」「きみのairplain」の世界においてはどこか世界に欠陥が見られます。しかしこの「終わりの世界から」においても終盤の世界は一面灰色の世界へと変化し桜の散る平和な世界の痕跡はなくなってしまっています。つまりこの曲だけは平和な現代からすべての楽曲に見られる世界の崩壊へと至る経過が描かれていることになります。(細かい描写は少女がばらばらな時空に吸い込まれてしまうことしか描かれてはいませんが)実は麻枝さんはこの二つの世界(「平和な現代」と「一面灰色の世界」)がどちらも描かれているという理由だけで、この曲をプロローグとしているのではないでしょうか。ということは「終わりの世界から」における少女が第三者として他の楽曲の世界を俯瞰しているという仮定は誤りだったということです。俯瞰者と成り得る人物は恐らく何者でもなくこのアルバムの購入者なのでしょう。「終わりの世界から」の少女と他の楽曲との関連性は登場人物には恐らく存在しません。共通するのは、13曲を通して描かれる壮大な伝えたいテーマだけなのでしょう。「終わりの惑星のLoveSong」において「終わりの世界から」を特別視することは解釈する上で少し危険な気がしたのでこの項を設けました。「終わりの世界から」もただ13のうちの1つである、それだけなのです。

個々の完結性を「終わりの世界から」にも見出す

前回の記事で個々の曲は楽曲の中で物語を完結させていることを指摘しましたが、それは恐らく「終わりの世界から」においても同様です。前述ですが繰り返します。この少女の旅(リープ)の目的は再び少女の恋した少年に会うことでした。



そこで無邪気に笑ってる
きみに会いにここから旅を始めた



しかし少女は一体どこにリープするのでしょう。以前の記事ではそのリープ先こそがこの先の12曲の世界だと言いましたが恐らくこの説は誤りです。リープ先はこの一面灰色の世界よりも過去に遡る形で、でしょう。何故なら少女がまた会いたいと願い少年は「そこで無邪気に笑ってるきみ」なのですから。少女が今までを生きてきた時代における少年でないと意味がないのです。それは過去へリープした少女が過去における少年を少女だと認識してもらえなかったことに繋がるのでしょう。つまり「Killer Song」」「無敵のSoldier」「きみのairplain」における世界にはリープしません。あくまで「終わりの世界から」における世界の中で過去へとリープするのです。「終わりの世界から」の世界はこの1曲で完結しているのですから。

一面灰色の世界を少女のリープ能力と併せて考える

「終わりの惑星のLoveSong」全体における「終わりの世界から」を考えてきましたが、この項からは「終わりの世界から」の歌詞自体について考えてきましょう。この曲の微妙なところは終盤に見る「一面灰色の世界」についての解釈です。と、その前に少女のリープ能力について再確認します。少女は禁忌(過去に生きる少年に自らが未来から来たんだと打ち明ける事)を犯すことで「ばらばらな時空」へと吸い込まれ、「一面灰色の世界」へと飛ばされますが、前述の通り少女は自らのリープ能力では最初から最後まで過去にしか飛べないようです。禁忌を犯すことで能力が変化し未来にも飛ぶなんてことは出来ません。そして過去へリープしても過去における自分と一体化するわけではなく過去における自分を抹消し、その立ち位置に未来の自分を据え置くのです。
では本題。「終わりの世界から」における「一面灰色の世界」とは一体どこか。それは荒廃した未来です。そして同時に「惑星の終わり」です。少女のリープ能力の特徴の一つであった容姿の変化に注目します。彼女は過去に飛んでもその容姿は未来のものと同様です。過去の自分と一体化するわけではありませんからね。では「一面灰色の世界」における少女はどうでしょう。この少女はもはや少女ではなく一人の女性として成長し、大人っぽい印象ですね。ということは未来に飛べない少女とこの女性が同一人物であるなら能力を使わずその地で暮らし時代を進めていることになります。つまり本当のことを伝えた少女は「ばらばらな時空」へと吸い込まれ、このPVに描かれている「一面灰色の世界」(旅人の身なりをした女性が映る一面灰色の世界)よりも数年前に飛ばされ、そしてその地で数年暮らし、PVに描かれた「一面灰色の世界」へと至るんです。歌詞で確認しましょう。



ぼろぼろになってほんとを伝えた
ばらばらになった時空に吸い込まれていく
そして目覚めたらそこは一面灰色の世界



歌詞は続きますが自分はここで話が一度切れると思いました。ほんとを伝え、ばらばらな時空へと吸い込まれ、目覚めるとそこは一面灰色の世界。つまり少女がばらばらな時空の先に見た世界は既に一面灰色の世界だったようです。



手に持ってたのは一枚の古びた写真
こんな色をしてた時代もあったんだ
そこで無邪気に笑ってる
きみに会いにここから旅(リープ)を始めた



一面灰色の世界に至って気づくと手に古びた写真を持っていた…と考えられなくもないんですが、少女の服装がどこか旅人のような身なりであるのが気になります。これを根拠に自分は「目覚めた瞬間」と「古びた写真を持っている瞬間」には数年、数十年の月日があったんじゃないかと考えます。少女のリープ能力は過去の自分との一体化ではなく未来の自分の据え置きであることをこのばらばらの時空転移による一面灰色の世界への移動でも同様に考えます。ですから一面灰色の世界に到達した瞬間はまだセーラー服を身につけており、数日、数年の間に旅の支度、そして少年への気持ちの整理をしたんだと思います。でないといきなり旅を始めようとは考えないでしょう。



また笑えるかな あたしこの世界で
きみの写真は置いたままで歩き出す



少女は古びた写真を見ることで少年への想いを再確認しました。笑い会えるってすごく幸せなこと。それを教えてくれた君、小さな時からなんでも知っていていつでも趣味その理想に合わせようした君をやっぱり大好きなんだってことを数年ずっと考えてきたのでしょう。少女が思い出す君はきっとどこまでも悲しそうな表情をしていました。それは過去に生きる少年。彼は近い将来、少女とは違った年上の女性を好きになるはずなのに、行方の知れない少女をぼろぼろになって探すんですから。



ぼろぼろ泣いてきみは探していた
突然いなくなった私の面影を

ぼろぼろになってあの日を探していた
ばらばらになったふたりをつなごうとした



自分はまた春が来て君がここを発つと決めた日、「もしあなたがあの人だったらよかったのに」と残した少年の顔は今にもぼろぼろになりそうながらも、必死に隠そうとする苦い笑顔だったように感じるのです。そんな笑顔だったからこそ、少女は「笑い合える幸せ」を君から教えてもらい、ほんとのことを伝えようとするんです。この後自分がどうなるとも知らずに。そんな少女の勇気が、少女が見る最後の君を笑顔に変える事が出来ました。確かに少女の胸の内にいる彼女の行方を探す少年はどこまでも悲しそうな顔をしているかもしれません。それでも最後に見た少女の想いと決別しようする大人びた少年の表情はどこまでも笑顔なのでしょう。ずっと探し求めた最愛の少女を見て、待ち焦がれたその再開に喜んだ最高の笑顔を少女に向けて。そんな笑顔を最後に見たからこそ、少女は旅を始めようと決意するんです。もう一度彼に会うために。きっともう一度少年に会える確率は計り知れないほど低いのでしょう。それでもまた彼と笑い合うために少女は無邪気に笑う少年の写真を置き、「少女の今を生きた」少年へと会うため旅(リープ)を始めるんです。その出会いが叶ったのかどうか、それはこの歌詞からは読み取れませんが、一面灰色の世界の少女の旅立ちからの長いその尾を引く映像から、自分はどこか悲しいような寂しい気持ちを覚えます。 



また笑えるかな あたしこの世界で
きみの写真は置いたままで歩き出す



「桜散る平和な現代」と「一面灰色の世界」の境界線

この「桜散る平和な現代」と「一面灰色の世界」の境界線は少女の禁忌とばらばらな時空に吸い込まれることに違いありません。しかし少女の禁忌がこの一面灰色の世界を創った原因なのかは分かりません。もしかしたら少女の現代からこの一面灰色の世界への変化は近い将来起こり得る事だったのかもしれません。これらの歌詞からでは一面灰色の世界が創られる契機が分かりません。「惑星の終わりの根幹」はやはり13の楽曲をすべて聴いた後にこそ分かることなのかもしれません。



「終わりの世界から」はすごく歌詞がストレートな気がして、その根幹になる一面灰色の世界における表現が非常にあいまいで抽象的です。だからこそこうして解釈の幅が広がるわけなんですが。今思えば前回の考察のタイトル「終わりの世界から始まった破滅への恋」というのは的を射てしまっていたのかもしれません。今作のテーマは「破滅への恋」ではありません。「KillerSong」においてはその破滅は見れなかったように思いますし。ですが必ずしもすべてが成就するというわけでもなさそうです。「無敵のSoldier」の末路が成就と結び付いたとは言えそうも有りません。ならば今回のこの「終わりの世界から」始まった、少女のリープを始めとした長い長い旅の末路が破滅へと向かってしまったのだとしても何ら不思議ではありません。

【2012/03/10 20:29】 | 終わりの惑星のLoveSong
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2014/04/10(Thu) 01:15 |   |  #[ 編集]
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