鍵っ子もいろいろと思うことがあるんです
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「終わりの惑星のLoveSong」考察
No.9「雪の降らない星」



彼らの秘められた「雪」への想い

No.8「とある海賊王の気まぐれ」に引き続きNo.9「雪の降らない星」について考えていきます。物語は非常に日常的そして歌詞は状況説明から少しだけ離れて情緒的。彼らの「永遠」を望むこの恋路には「雪」が非常に多く登場しています。この「雪」とは物語においてどのような意味を持ち得るのかをまず考えます。



白い雪と白い息とはしゃぐきみを見つめていた
出会った頃そんな風景に満ちあふれてた



まず冒頭で描かれたこんな風景を挙げてみます。「白い雪」「白い息」「はしゃぐきみ」はいずれも「雪」が存在する冬で連想されるですね。そして「出会った頃」はそんな風景に満ち溢れていた。つまり彼らにとって「雪」とは「出会いの象徴」だったんです。また一面白の風景を眺め「はしゃぐきみ」が思い出される彼らにとって「雪」というものが決して冷たいものではなかったことを伺わせます。彼らの恋路を繋いだものが「雪」であり、かけがえのない優しさに溢れた風景を連想させるものが「雪」なのでしょう。

彼らに知らされた「惑星の終わり」

個々様々な物語で描かれてきた「惑星の終わり」ですが、この「雪の降らない星」における彼らは「惑星の終わり」がやがて訪れることを知っていたのではないでしょうか。恐らく勧告が彼ら人類に出ていたのだと思います。しかし自分達が今まで長年住んでいた惑星が滅んでしまうことを聞いたところで…誰が信じるのでしょうか。もし我々がこの現代でそのような勧告が出たとしても、恐らく誰一人鵜呑みにはしないでしょう。それはこの「終わりの惑星」における彼にとっても同様でした。彼はこの惑星が終わりに近付いていることに気付くことなど出来ません。何故なら、優しい雪は幾度も冬に姿を見せていたのですから。



また雪がやってきて 僕らはふたりで居て

ほらまた一年過ぎ変わらないふたりだけ
こんなことがいつまでも続いていく
そんな気がしてた

三回めの冬は僕も少しだけはしゃごう



惑星が終わると勧告を受けているにもかかわらずその兆候が表れていないのです。「また」と冬がやって来て彼らに優しい雪が姿を見せていました。上記の「ほら」という彼の不意に出た一言には「惑星の終わり」という非現実のような過酷な現実が遠のく事への安堵や慢心、そして強がる姿が伺い知れます。しかし何度目かの冬でその雪が降り止んでしまうような描写が見られます。



また冬がやってくる 雪はもうまばらで
必死にふたり かき集めた



この時になって少年は悟ったのではないでしょうか。「惑星の終わり」は決して夢物語ではなかったのだと。彼らが愛した「雪」が今にもまばらで、やがて降り止んでしまうのですから。「凍る夢」における人類が過酷な現実にから逃避するため地下シェルターで仮想現実の「夢」へと逃げ込んだのと同様に、この少年は「惑星の終わり」を胸の底で「夢」だと思い込んでいました。「凍る夢」における彼らは永遠に「夢」に住み続けることができました。しかし「雪の降らない星」における彼らは雪の降らない「惑星の終わり」が近づく過酷な現実を目前にしてしまいました。手に負えず食い止めることのできない「惑星の終わり」を目の前にして無邪気な少年は自らの恋路を詞として綴った…そんな情景が自分には浮かびました。毎年やってくる冬を、温かな彼女との出会いの季節である冬の象徴を、少年は失ってしまいました。「雪」を見て、「雪」と共にはしゃぐ「君」を二度と見ることができなくなってしまいました。毎年来るはずだった「雪」が次の年には降らないのですから。白い雪の降らないそんな偽りの「冬」を目の前にして、彼はぽつりと呟きました。「こんなことがいつまでも続いていく そんな気がしてた」と。



こんなことがいつまでも続いていく
そんな気がしてた



雪だるまに込めた彼らの行方



本当の最後なのにふたりはずっと笑ってた
部屋に入れた雪だるまが溶け始めていた

本当の最後なのにふたりはずっと笑ってた
部屋に入れた雪だるまは溶けきっていた



歌詞の最初と最後に「雪だるま」の表記が見られます。この「雪だるま」にはどのような意味が込められているのかを考えてみます。自分はこの「雪だるま」が彼らの住む「惑星の行方」を少しだけ暗示しているのではないかと感じました。そして同時に「雪」を恋路の象徴とする「彼らの恋路の行方」をも暗示をしているのではないでしょうか。この「雪の降らない星」を「終わりの惑星のLoveSong」の物語における時系列で並べるなら「最後」なのではないかと考えています。この物語こそが「惑星の終わり」を迎える寸前の物語であったというわけです。歌詞における「本当の最後」とは「雪だるま」が象徴する通り「惑星の終わり」であり同時に「彼らの恋路の破滅」でもあるわけです。この「雪の降らない星」における少年は現実を悟った後、愛した「きみ」との最期を迎えるその時、この歌詞を描いたのでしょう。出会った頃の温かい思い出を胸に抱きながら。寄り添う彼女と共に。



本当の最後なのにふたりはずっと笑ってた
部屋に入れた雪だるまが溶け始めていた
白い雪と白い息とはしゃぐきみを見つめていた
出会った頃そんな風景に満ちあふれてた



ヒーローに語られない星の物語であること

この「雪の降らない星」における物語はNo.12「Heroの条件」における「ぼく」に語られることはありませんでした。それはあくまで「Heroの条件」において挙げられる物語は後日談を必要とする物語であるからでしょう。「ふたりだけのArk」における彼らが希望の船を見つけそらへと飛び立つことが出来た、「Executionerの恋」における彼らが命を賭してまで互いを支え合う覚悟を得ることが出来た、「終わりの世界から」における彼らが再び出会い笑い合う幸せを噛み締めることが出来た、「Flower Garden」における彼らが過酷な惑星において「夢」を抱き続けそれを成就させることが出来た…優しい結末を。



ある人は希望の船を見つけてそらへと
ある人は死刑する人と助け合ったと
ある人は忘れた笑顔を取り戻したと
ある人はほんとの花を咲かせてみたと



「雪の降らない星」における彼らも決して悲しい最期を迎えたわけではありませんでした。寄り添い合い、そして傷つけあった彼らはこれ以上の悲しみを知らずに生きていけるのだと、そう思ったのでしょう。「惑星終わり」という非現実のような現実を目前にしてもその兆候が表れないことに幾度かの安堵を憶え、有りはしない「永遠」を夢見ることを知りました。永遠に二人一緒に雪の降り積もる冬を越すことが出来るのだと。



よりそいあい 傷つけあい
悲しみをもう知らずに生きていける気がした
永遠なんてありはしない それでもあると思えた



しかしそんな脆い「夢」を「惑星の終わり」は打ち砕き、彼らから大切な恋の象徴であった「雪」をも奪おうとしました。過酷な現実を目前にした彼らは、本当に幸せだったと言えるのか…そう思うでしょうか。しかし彼らは「惑星の終わり」を目前にしていてもなお笑顔だったんです。「本当の最後」なのにふたりはずっと、それはまるで「永遠」のようにずっとずっと笑い合う最期を迎えたのではないでしょうか。



本当の最後なのにふたりはずっと笑ってた



本当の最期を目前にしてもなお笑顔でいられたのは、紛れもなく「彼らが最期のその瞬間まで一緒にいたから」こそです。死を目前に平然としていられる孤独など存在はしません。そして最期を迎えるからこそ、彼らは愛する互いを本当に愛おしく想います。「本当の最後」を目の前にしなければ感じることが出来なかった強い愛おしさ。それは彼女にわずかな嫌悪を抱くはずだった「すぐ泣く癖」と「わがまま」さえも愛おしさへとすべて変えてしまいます。



悲しみをもう知らずに生きていける気がした
すぐ泣く癖もわがままもかけがえなく感じていた
ほらまた一年過ぎ変わらないふたりだけ



前述の「ほら」と放った少年の一言は「惑星の終わり」という非現実のような過酷な現実が遠のく事への安堵や慢心、そして強がる姿が伺い知れましたが、後半における「ほら」にはその現実を一身に受け止めそれでもなお「雪」を失ったその現実でも自分達の恋はより一層強まったことを「惑星」へ「してやったり顔」をしている様に自分には思えました。もしかしたら彼らの強い熱を放つその愛が、部屋に入れた雪だるまを溶かしていたのかもしれません。彼らの恋路は「本当の最後」を迎えるその瞬間まで、きっと笑顔で満ち溢れていたに違いないのですから。



本当の最後なのにふたりはずっと笑ってた
部屋に入れた雪だるまは溶けきっていた



表題「雪の降らない星」を最後に考える

以上で「雪の降らない星」の考察は終了です。「終わりの惑星のLoveSong」における解釈が難解であったのは「終わりの世界から」「凍る夢」そして「雪の降らない星」でした。この三曲はオワホシ御三家とでも呼びましょうか…いまだ考えがまとまっていないと言えばまとまっていません。頂いたたくさんのコメントで思うことはたくさんありまして。それはいずれ完結した形で皆様に再び考察をお見せできる場があればなと考えております。さてこの「雪の降らない星」という表題についてですが「雪が降らない星なのに雪降ってんじゃん…」って思われた方も多くいらっしゃるようです。しかしこの物語はすべて少年によって「雪の降らない星」において描かれたものであるのですから至極当然ではないでしょうか。前述の考察でも書いたとおり、この歌詞は恐らく惑星が終わりを迎えるその直前に自らの恋路を少年が綴ったものであると考えています。ですから彼が描いたその時惑星にはもう「雪」は降っていないんですね。歌詞がすべて回想の形を取っていますから。それはすべての末尾が過去形で締められていることが裏付けています。
すべての曲を聴き終えた皆さんならお分かりかと思いますが、麻枝さんはこの「終わりの惑星のLoveSong」における個々の物語をすべてハッピーエンドで締めようとしています。(これは後の考察においての言及しますが)ですから一見悲しげに見える「雪の降らない星」における彼らの恋路をも幸せに溢れた物語であることを願い上記の考察を書いたつもりです。そしてこの記事の表題を『「雪の降らない星」の強い熱を放つその愛が得た優しい結末』としました。次回は「火吹き山の魔法使い」です。ご意見・ご感想はお気軽にどうぞ。


【2012/06/09 11:31】 | 終わりの惑星のLoveSong
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brycespeed
どうもbrycespeedです。
今回もお疲れ様でした。

さて、今回は書く事が相当あるのですが、
まずは雪のことについて書かせていただきますね。

雪とは麻枝さんにとって、ずばり「永遠の象徴」ではないでしょうか?

「手のひらには銀のかけら
思い出すのは 流れる髪
熱を奪い 肌に消える 
永遠だって気がした」-5 ED 「永遠」A,Bメロより

これは刹那こそが永遠と思える、他作品でもよくある例えですね。麻枝さんの中でもやはり雪はそういう存在なのかもしれません。もちろん、雪については「Last regrets」からも伺い知ることが出来るかと思います。

なので「雪の降らない星」=「永遠のない星」=「終わりの惑星」ということではないでしょうか?


そして次になのですが、この惑星が終わってしまった理由について書かせて頂こうかと思っていたのですが、せれーでさんと結論が相当異なりますので、

(特にこちらの部分
>この「雪の降らない星」を「終わりの惑星のLoveSong」の物語における時系列で並べるなら「最後」なのではないかと考えています。)

今一度、持論を見直した上でコメントさせて頂きますね。




承認待ちコメント
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初コメント失礼します。
考察、全て読ませていただきました。
自分では思いつかなったような考えがたくさんで感動しました!
続きはお書きにならないのでしょうか…?
お忙しいとは思いますが、ゆっくりで構いませんので、更新楽しみにしております。

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コメント
この記事へのコメント
どうもbrycespeedです。
今回もお疲れ様でした。

さて、今回は書く事が相当あるのですが、
まずは雪のことについて書かせていただきますね。

雪とは麻枝さんにとって、ずばり「永遠の象徴」ではないでしょうか?

「手のひらには銀のかけら
思い出すのは 流れる髪
熱を奪い 肌に消える 
永遠だって気がした」-5 ED 「永遠」A,Bメロより

これは刹那こそが永遠と思える、他作品でもよくある例えですね。麻枝さんの中でもやはり雪はそういう存在なのかもしれません。もちろん、雪については「Last regrets」からも伺い知ることが出来るかと思います。

なので「雪の降らない星」=「永遠のない星」=「終わりの惑星」ということではないでしょうか?


そして次になのですが、この惑星が終わってしまった理由について書かせて頂こうかと思っていたのですが、せれーでさんと結論が相当異なりますので、

(特にこちらの部分
>この「雪の降らない星」を「終わりの惑星のLoveSong」の物語における時系列で並べるなら「最後」なのではないかと考えています。)

今一度、持論を見直した上でコメントさせて頂きますね。


2012/06/12(Tue) 23:00 | URL  | brycespeed #-[ 編集]
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このコメントは管理者の承認待ちです
2012/09/20(Thu) 01:13 |   |  #[ 編集]
初コメント失礼します。
考察、全て読ませていただきました。
自分では思いつかなったような考えがたくさんで感動しました!
続きはお書きにならないのでしょうか…?
お忙しいとは思いますが、ゆっくりで構いませんので、更新楽しみにしております。
2012/10/16(Tue) 11:43 | URL  |  #-[ 編集]
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「終わりの惑星のLoveSong」考察 No.9「雪の降らない星」 彼らの秘められた「雪」への想い No.8「とある海
2012/11/21(Wed) 04:26:11 |  まっとめBLOG速報
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